沖縄のサンゴ礁は、希少種を含めたサンゴおよびこれに依存する様々な生物が生息し、種の多さは世界有数である。しかし、このサンゴ礁生態系は1980年代のオニヒトデ大量発生、1998年 世界規模で発生したサンゴ白化現象により、危機に瀕している。
白化現象の原因は、地球温暖化による海水温の上昇、強い光の生理ストレス、人為的な影響によるストレスが関係していると考えられている。そのためサンゴ礁の回復は、本来自然にゆだねられるものであるが、サンゴ礁の持つCO2固定化や多様な海洋生物の保全、自然の防波堤としての機能を回復するためにサンゴ種苗生産、植付け、オニヒトデ駆除等、人為的回復策に可能性があると考えられている。
この状況は、亜熱帯海洋型リゾート『沖縄』というイメージを持ち来沖される観光客にとっても、ダイビングファンにとってもその期待を裏切ることとなる。また、観光立県を標榜する沖縄県にとっても、観光産業にかかわる多くの県民にとっても非常に重要な問題である。
この現状を改善するために、地球環境問題の観点からサンゴ礁と海の重要性を多くの方に認識してもらう必要性を感じ、2003年5月より有志による私的研究会としてスタートし、沖縄のサンゴ礁の状況、サンゴ礁保護活動、海の環境保護活動、県内でのサンゴ礁研究状況等の調査を行うとともに関係者との交流を進めてきた。その中で、海洋研究研究者による沖縄海域観測網検討会への参加、サンゴ養殖関係者との出会いを持つことができた。
上記の活動の中で、産官学と連携し科学的な調査に基づき、サンゴの減少した海域に養殖サンゴを植付け、サンゴ礁の再生、保護する活動の必要性を痛感し、その事業母体として特定非営利活動法人設立を2003年9月よりワーキンググループを組織し、2004年2月16日に設立総会の開催に至った。
本法人は、サンゴ礁の保護再生をサンゴの移植により実現することを目的としている。さらに、サンゴ礁の再生、保護に関する知識を習得、実践する人材の育成を図り、サンゴ種苗生産技術、植付け技術を広く世界に公開も積極的におこない、サンゴ礁の回復・保全活動を通して多くの人たちにサンゴ礁と生活環境とのつながりを考える機会を創出し、環境保護意識の高揚を図ることを目的とする。
この目的を実現するためにサンゴの森基金を創設し、一本のサンゴの植付けから50年後、100年後、沖縄やこの法人のノウハウを提供できる地域のサンゴ礁がその生命力を最大限に発揮することを願って、この法人を設立する。 |